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企画

観劇レビュー KENSUSAKIさん

osaka

大阪府 KENSUSAKIさん(創造Street)

 

ごじゃりまる。のレビュー

音が楽しい。
使用楽曲はテクノ調でポップ。演出のスピード感と相まって見やすい構成だ。女性出演者が発する音も心地よさのあるテンポ感。出演者の持つ集中力と瞬発力が全体の根底に無いと音響と照明が浮いてしまいがちな演出手法だがそうなっていないのが素晴らしい。全体のスピード感は観客の脳内処理速度を一歩足りない所で置いていく。これがかなり効果的に感じる。脚本中に含められる時代性や言葉遊びだけでは無い、脚本の主軸だけを残して進んでいく。見終わった後に「全部が分かった訳じゃないけど面白かった」と落ち着くことが出来る。このよく分からなさは結構大切で、演劇が持つ余白が気持ちいいのよね。
メディアや社会、企業に対して作られた作品はとても多いし見飽きたジャンルでもあると思う。しかし、ここまで対比を綺麗に配置すると新鮮さを感じる。白玉とみたらし団子の
白と黒、無垢な物と覆われた物、善人と悪役の対比が美しい。爽快なスピード感を持つシンプルなサクセスストーリーに見せかけて、終盤の一転は脚本の妙だ。時事ネタを盛り込むと作品強度は低くなる。その時はウケるかもしれないが、20年後にウケる可能性は低いだろう。シェイクスピア作品が100年ウケる作品強度があるのは人間の普遍性が主軸になっているからだと思う。「こうふく♡みたらしだんご」に描かれる人間の表裏は普遍的で一過性とのバランスで作品強度がましている。良いエンタメ作品だった。