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レビュー

観劇レビュー 佐倉ハルキさん

hyogo

兵庫県 佐倉ハルキさん(劇団桜月会)

 

劇団Nobleのレビュー

 

男女2人による会話劇…と呼んでいいものか。会話劇のようでアングラみたいな…ある意味青春芝居とも言える気がしました。
まるで車窓の景色を見るかのような不思議な感覚を覚えるお話でした。
はじめ、電車から始まる物語は出会いを想起させるものの始まりでは無く終わりに向かうかのようなストーリーの進み方を見せてバッドエンドのお芝居なのかなと思いました。
しかしながら、途中から文学的な要素が入ってきて宇宙な原始など劇団名の通り壮大なところまで話が広がっていき初めの印象はガラリと変わっていきました。個人的にはもう少しその辺りに踏み込んだストーリー展開も観てみたかった気がします。
とはいえ、宇宙のように壮大な思考にまで広がった2人が原点ともいえる(少なくとも僕はそう感じました)村で再会した時には良い意味で鳥肌が立ちました。
少し残念だったのは、映像という影響もあるのかもですが照明効果の影響でキャストさんの動きが見えなかったシーンがあったところです。最後の余韻ももう少し欲しいと感じました。
「始まりがあって終わりがある」物語では無く、「ある2人の人生の一部分を切り取った」物語であり、あの2人はこれからも原点である村のことを忘れずに遥か先を生きていくのかなぁ、と凡庸ながら思いました。
とても素敵な作品でした。ありがとうございました。