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企画

おちゃめインパクトの観劇レビュー

otya

東京都 中堂大嘉さん(黒虹サンゴ)より

tokyo

まず、単純にとても元気をもらった、というのが第一の感想。

そして何より出演者達が上演自体を楽しみ、表現を楽しんでいて、心地よかった。

冒頭での面会ごっこのやり取り、ダンスシーン、小道具を使用した劇中劇、演劇を使った「あそび」を多く取り入れていて、刺激的な構成になっていた。

ただ、その表現の挿入が全体を通した上で、「果たしてそれは生きているのか?」という事に関しては違和感を感じた。

なぜそこに上記のような表現方法が必要なのか?という事を検討し、構成全体に挿入していくとより作品としてのクオリティを上げる事ができると感じた。

と同時に、今の彼女達に全体の構成を細かく見渡し、整えられた形にする力は必要なのか?という事も思った。

若い柔軟な発想を組み立てる事ができる時期には、どんどん自分の思うがままに自己の表現の幅を広げていき、演劇界に新しい表現の芽を与えてほしいと思う。

そしてその創作過程の中で自分達の舞台の武器は何なのか?フィットする表現方法は何なのか?を追求して削ぎ落していきながら、作品としての力強さを高めて欲しい。

最後に、団体名「おちゃめインパクト」とても可愛らしく、印象に残り、彼女達の作品のカラーや人柄を表すのに適していて、とても好きです。

 

愛知県 西尾武さん(妄烈キネマレコード)より

aichi

画面から飛び出してくるくらいに元気いっぱいな演技が心地いい!
作品の冒頭から、どういう演劇を見せたいのかが明確でとても見やすかったです。足が地についた演技と演出で見ている人に分かりやすく、個々がしっかり魅力的につくられているので、最後まで飽きずに楽しませて頂きました。
キャラクターの距離感が上手だなと思いながら見ていました。それぞれの立ち位置だからこそ出てくる台詞や掛け合いがしっかり書かれているように思いました。物理的な壁を立てることによって精神的な壁を外して会話しようとするシーンがとても印象的で、僕はそこに姉妹の距離感が見えた気がして感心しました。そこが印象的だったこともあり、冒頭の面会ごっこにはもっと踏み込んだ説得力が欲しかったなと思いました。

 

徳島県 大木茂実さん(todokeru,)

tokushima

長女は実家の両親が苦労して次女の学費を工面(自身も次女の仕送りを支援している)。従姉妹は会社の先輩にセクハラ行為を受け、両親に相談しても気にせず会社に行けと言われ。そんな親とは一緒に住めないからと自身の家に逃げてきた長女は受け入れる。次女はデザイン関係の大学に通いつつも自身がやりたい事に疑問を抱えており、各々の悩みや葛藤をフォローしたり時に感情的になりながらも気持ちをぶつけ、擦り合わせる事で解決とはいかなくもそれぞれ一歩を踏み出していく。

目に楽しい衣装や美術。「面会ごっこ」で使っている枠を用いた様々な遊びや、明るいポップチューン感のある曲をバックにダンスで作られたオープニングシーン。
徹底的に「かわいい」味付けで魅せる舞台は好感が持て、飽きる事なく楽しく観られました。
また3人のテンポの良い動きや情感たっぷりの台詞回しは観客を惹きつけるものがあると思います。

それとは別に違和感が生じ、物語に入りにくい箇所が多々ありました。

先ず長女は何故従姉妹に学生である次女へセクハラを受けた話をするように促したのかと、従姉妹も何故それを話したのかという点です。姉妹間で隠し事はしないというルールのような物があるなら別ですが、それにしては従姉妹と次女の会話の各々のやりたい事に関して今まで言及していない所に疑問が生まれました。

また、長女は従姉妹を自身の家に受け入れている事から両親の発言と同じ意識は無い、むしろ従姉妹の心情に寄っていると思われます。その一方で次女の学費を苦労して払っている点で両親を慮っている所の心の整合性のようなものが今ひとつ見受けられませんでした。

タイトルに関連する「99円のキャベツ」が次女の ……[全文はこちら