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企画

観劇レビュー 上田龍成さん

hokkaido

北海道・札幌 上田龍成さん(星くずロンリネス)

 

あたらよのレビュー

 

少し短めの演劇作品には3という数字の相性がいいと常日頃から考えている。3人や3個、3つのポイント、3つの展開、3か所、3回・・・。自分が短編作品を構成するうえですごく大切にしている数字です。

 

この作品も3つの円の中で大学生たちの「会話劇」が繰り広げられる。ただ、それは会話のようで会話じゃなかったりもする。でも、彼ら彼女らにとっては会話なんだろうか、と考えながら見ていた。

 

まず、とてもとても等身大の話に見えた。それが面白かったので、これからもずっと等身大の作品を書いて欲しい。そうすると、年齢に関係なく、ずっと誰かの心にはピタッとハマる作品を生み続けることが出来るはずなので。

この作品での大学生の等身大っぽさがとても良かった。

 

少し余談だけど、僕が大学生だったころ、LINEはギリギリなかった。卒業したあとにすぐに浸透した気がする。だから、共感できないかっていうとそうではなくて、逆になんかもう心の奥底に閉まっておいた、大学生活という名の浮ついたあの頃の欲望の記憶が思い出されて、枕に顔をうずめたくなりました。

 

いつの時代も(それはスマホがあろうがなかろうが)大学生の心の中は変わらないのではないだろうか。

 

照明の変化や小道具の仕掛けもすごくシンプル。だからこそ、会話が際立っていて、見やすかった。この、ある種、どストレートな作品を他の人はどう見るのだろう。深い共感を抱くのだろうか、何かを重ねて少し恥ずかしくなるんだろうか。

 

定点撮影だったのがとてもいいスパイスとなっていました。これがカット割りした撮影だと演出家のより濃い想いみたいなものが溢れちゃうところだったのですが、定点だったことで、いわゆる神の視点で少し大人になった自分があの頃の自分を俯瞰するように観ることが出来ました。それがちょうど良かった。

 

ちなみに、僕は深夜3時に見始めました。

偶然だけど、とてもいい時間に見たなと思う。