レビュー
- 第8回 – 2023年
- 第7回 – 2022年
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- 第5回 – 2020年
- 第4回 – 2019年
- 第3回 – 2018年
- 第2回 – 2017年
- 第1回 – 2016年
- 第0回 – 2015年
おちゃめインパクトへ参加団体からの感想・講評
上演方法が配信であるということを積極的にフル活用しているのがとても好印象でした。 観客を入れた劇場公演を撮影した映像を見ているときよりも、より劇場で生の公演を見て いる時に近い感覚を味わえた気がします。広い舞台を遠巻きに撮るのではなく狭いスペー スを寄りで映すことで役者の表情もはっきりと見ることができ、画面に世界観がぎっしり 詰まっているようでワクワクさせられました。また、ただ物がたくさん置いてあるのではな く、動きの中で移動させながら場を波立たせたりすることに利用したりいろんな空間の使 い方をしようとしていたのも面白いと思います。軽快な掛け合いの前半と丁寧な会話の後 半とのギャップ、ラジオドラマのようにならずにしっかり目でも楽しめるという点が特に 好きでした。
■ポケット企画 関係者
台詞の伏線をきちんと回収していく丁寧さは素直に楽しかったです。尺の関係上どうしても早回しに見えてしまいますが、動機と行動が観る側に分かりやすく作られているので短い時間ながら見やすい作品になっているのかなと感じました。
セットも大変素晴らしかったです。映像として観た際に見栄えの良さというものがありました。
個人的に気になった点です。上記にも挙げた通りどうしても流れが早くテーマの重さと役者の心情の揺れ動きとが噛み合ってないように思えました。30 分という尺ではなくもっと練られた脚本になっていたらさらに面白いものになっていたのではないかということで す。
■東北連合 スタッフ
まず、1つ1つの演出が非常に凝られていて、視覚的にも聴覚的にも楽しい30分間でした。絨毯によって室内にも屋外にも対応できる舞台、的確なタイミングで舞台を彩る照明、キャラクターに あった可憐な衣装などが脚本の世界観をうまく引き出していたように感じました。
また、面会の仕切り板を電車に見立てたり、最初のアクトの踊りだったり、観客が飽きないような工夫が沢山散りばめられていて、演出家さんのエンターテイメント精神がとても勉強になりました。さらに、脚本の内容自体も等身大の話題を扱っていて、共感しながらみることができました。
■ごじゃりまる。 演出助手
面白い演出が多く、おちゃめだなと思いました。
面会ごっこに使っていたアクリル板が、妄想シーンでは電車の窓になったり、テレビ画面になったりと、アイディアが面白く、またその時の効果音を口で言うことでコミカルに見え、大変好感がありました。ストーリーに関して言えば、被害に遭った友人にそのことを告白することを勧める姉の意図が不明である点や、最後ハルさんが思ったことを全て言ってしまうのがもったいないと思いました。
終わり方はポップで可愛らしくいいと思います。
■劇団Noble 演出
おちゃめでインパクトでした。
名は体を表すと言いますが、確かにそうだなぁと見ていて思いました。おちゃめでインパクトがある作品というのが創作の上で前提として作られているのでしょうか?一番すごいと思ったのは、演出の自由さです。畳んだ服を前に飛ばす、はけ口は舞台全面、緞帳を無理やり作る、カーテンコールなど、映像だからできる演出が多々ありました。映像だから、有観客の際と同じようなルールで演出しなくていいということに気付かされました。
到底、一人で思いつけるようなことではないと考えていましたが、クレジットを見ると、演出欄には「おちゃめインパクト」とありました。個人的には今はチームの時代だと思います。これからもチームとしての創作を楽しみにしています。
■ゆとりユーティリティ
かわいかったああ…なりたい女の子がそこにはありました。
かわいいは作れる。キャンメイクTOKYO。
■あたらよ 関係者
観る人によって様々な感想がでてくる劇だと思います。
登場する女の子3人の悩み、特にお姉さんとはるちゃんの悩みは誰もが一度は考える悩みだと思います。
したいけど、したくないけどそんな矛盾を抱えて人間は生きるんだなぁと思いました。
■あたらよ 関係者
緻密に作られていると感じました。面会ごっこという遊びを用いることで、座っているだけでも見ていて楽しかったです。また、狭く物が多い部屋でも発想や座り位置などが工夫されていて構図が面白く、視覚的にも楽しかったです。また、観劇して「好きなこと」について考えました。最近実感する時があったのですが、好きって割と呪縛だったりすると考えています。そのため、「好きでもやめる選択肢」というのが心に来ました。やめるとか好きじゃなくなるとかなんとなく嫌なイメージがありますが、もっと好きを自由に捉えていいんだと思えました。しかし、相手が悪いのに好きなことを諦めなければならない状況が現実にあるということには苦しくなりました。
■ふしこ 役者