JSTF

レビュー

観劇レビュー カワノヨウタさん

kanagawa

神奈川県・鎌倉 カワノヨウタさん(劇団ScattoWright)

 

ゆとりユーティリティのレビュー

 

エース野球選手と普通の会社員。まったく関係のない二つの人生。それが交錯していく様子がコミカルにそしてハートフルにが描かれていました。世界観に見事に引き込まれてしまいましたね。(笑)

 

この作品のフィクション度というか、虚構性は、相手の脳内で最後は完成させる、言い換えると見る側の想像力をマスターピースとする舞台という形式を思う存分使っていて気持ちが良かったです。映画とかでは表現しきれませんね。

 

何より演技力がすごい。半二重人格と、その他の登場人物を一人で演じきるパワー。圧巻です。僕自身一人何役というのをやることがあるのでわかるのですが、終盤になってくるとどの役をどの声色で演じてたか混ざり非常に演じづらい状況に陥ります。そうすると見る側は今誰なのかわからず、ストーリーはずっと上滑りし続けるはずです。それがなかった。これは相当な技量がないとなし得ない技だと思います。本当にすごい。

 

このお話の続きを欲してしまいます。脚本家の脳内には続きがきっとあるんでしょう。とっても覗いてみたいです。いい作品をみせていただけました。感謝です。